
CURIO SCHOOLでは、9月より授業内容をアップデートし、よりデザイン思考のプロセスにそって1つ1つのスキルを育めるような構成でワークをしています。
新カリキュラム第1弾として、『ペットボトルデザインプロジェクト』を行いました。
このプロジェクトは、世界一使いやすいペットボトルをデザインすることを通じて、行動観察とインタビューのスキルを育むことを目的としています。

プロジェクトの1回目に子供たちはまず、市販のペットボトルを観察し、好みや不満点からアイデアを発想してみます。
すると、「見た目がかっこいい」「何となくざらざらしていて、ださい」といった感想が。そこから、「もっとかっこいいもの」「持ちやすいもの」といったアイデアを考えました。
自分の考えたアイデアを気に入っている子供たち。
これでもいいような気がします。
なぜ、わざわざ行動観察とインタビューをする必要があるのでしょうか?
その理由を知るために、行動観察とインタビューのワークを進めていきます。
行動観察は、ユーザーがペットボトルを「購入し、飲んで、捨てる」という一連の動作を動画で撮影し、1つ1つの行動を細かく観察していきます。


その数70以上!
その後、行動観察で気になったポイントについて、ユーザーがどのような意図をもっていたのか、どのような気持ちだったのか、をさぐっていきます。


さらに、行動とインタビューの回答からユーザーの本当の願いに迫るため、解釈を加えていきます。


それらの情報をもとにして、アイデアを考え、プロトタイプを製作します。





最終的には、
「左ききの人でも持ちやすく飲みやすいペットボトル」
「飽きやすい人のために味変ができるペットボトル」
「めんどくさがりの人のためのラベルが簡単にはがせるペットボトル」
などのアイデアが出てきました。
最初に考えたアイデアよりも、使う人の特性や使いやすさにフォーカスできています。
ただ闇雲にアイデアを考えると、ビジュアルのかっこよさやユニークさに目がいきがちです。しかし、視覚的にインパクトがあるものがよいデザインという訳ではありません。
行動観察とインタビューを通じてとことん対象者の願いに寄り添った結果、1人1人求めているものが異なるため、対象とする人にとっての「世界一」を追求していくことの意義を実感できたようです。
ユーザーはデザインの出発点であり、何度ももどって参照する大切な要素です。
今回のプロジェクトで学んだユーザー意識を、今後のプロジェクトでも生かしてほしいと思います。