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2017
12
16

経済プロジェクト
お金持ちになるためには投資をすることが一番!?
みなさんは経済と聞くと何を思い浮かべますか?
お金、金融、企業、景気…
一言で「経済」と言っても視点によって捉え方は色々です。
今回のプロジェクトでは経済の中でも「お金」をテーマにし、「どうして人はお金が欲しいのか?」という問いに対して考えていきました。
授業の最初に
「お金持ちになるためにはどうすれば良いと思う?」
と問いかけたところ
「コンビニで働く!」
「会社で仕事する!」
という回答が返ってきました。
そこでコンビニで一生働いた場合と会社員として働いた場合、どれくらいお金を貰えるのかみんなで計算してみました。
するとコンビニで働いた場合は、40年間働いて約9132万円!
(1,081円/時間×8時間×22日×12ヶ月×40年)
「おー、すごい!」「そんなに貰えるの!?」
といった声がちらほら。
じゃあ会社員はどうだろうか、ということで計算すると、なんと2億4240万円!!
「えー、じゃあ会社員の方がいいじゃん!」
子どもたちは大騒ぎ。
「じゃあ日本でもっとたくさんお金を持っている人は誰だろう?」
調べてみると、なんと1位はソフトバンクの孫正義さん!その資産2兆2640万円!!※2017年のフォーブスより
「ええええー!!!!!どんだけ稼いでるの!!?」
「すげー!!!!」
子どもたちのテンションはMaxに。なんでしょう、大人でも子どもでもお金の話になるとテンションが上がるんですかね。笑
そこから更に話を進め、
「では世界のお金持ちは誰なのだろう?」
と問いかけ、調べていくと1位はマイクロソフト社のビル・ゲイツさん。その資産額9兆7180億円!!
このあたりから子どもたちも麻痺してきます。あんまり驚きません。笑
「なーんだ、意外とそれぐらいなんだ」(いやいやサラリーマンが4万人分よ)
「でもどうしてこんなにお金持ちなの?」
いい質問ですねー。
では孫正義さんやビル・ゲイツさんの職業は何でしょうか。そう、起業家です。
どうして起業するとお金持ちになるのか。
そこから会社の仕組み、そして株式の仕組みについて学んでいきます。
「じゃあサラリーマンになるより、会社つくったほうがいいじゃん!」
確かにそうかもしれません。
そこでファシリテーターから
「もし100社の会社ができたとしても、20年で半分ぐらいしか生き残ってないよ※」
※廃業率については諸説ありますが、中小企業白書のデータを参考にしました
と伝えると
「えっ!結構なくなるんだね」
そうなんですよね。この授業を作りながら私(西山)もドキっとしました。
ただアルバイト、サラリーマン、起業家といったところは小学校高学年ならなんとなく知っている子は知っています。
そこで第4の選択肢として「投資」を挙げました。
「でもアルバイトでも、サラリーマンでも、起業でもないお金の稼ぎ方があるよ。それは『投資』。みんな『投資』って知ってる?」
多くの子どもは投資について言葉として聞いたことがあるものの、意味や概念までは理解できていません。
そこで登場するのがコロンブス。スペイン王国イザベル1世からある意味投資を受けて、大成功した事例です。
そこから大航海時代が始まり、人類全体の生産量が増加していきました。
また世界のお金持ちの中には「投資家」という、投資を専門に行っている人がいることを理解します。
みなさんだったらお金持ちになるためにアルバイト、サラリーマン、
起業家、投資家のなかからどれを選びますか?
(ちなみに子どもたちは意見が分かれ、「不安定なのはいやだからサラリーマンだね」と発言する子どもや「やっぱり起業家の方が楽しそう」という子どももいました。投資家はあんまり人気がなかったです。。。)
どうして人はお金を欲しいのか?
1回目や2回目の授業ではお金に関する話を中心に「経済」に対して理解を深めていきました。
また3回目の授業ではCURIOオリジナル「経済カードゲーム」に挑戦し、銀行の役割や投資の意味について学びました。
(子どもたちはゲームで大いに盛り上がりました。やはり遊びながら学ぶのが良いですね)
そして4回目の授業。
3回の授業でお金や経済に関する理解が深まったところで改めて
「どうして人はお金が欲しいのか?」について考えていきます。
すると、一人の生徒がこんなことを言いました。
「どうして詐欺ってあるの?」
面白い疑問ですね。わざわざ法を犯し、捕まる可能性があることをしてでも
お金が欲しいというのはどういうことなのでしょう。
クラスメイト同士で議論をしていくと、
「アルバイトや会社員になって働いてお金をもらうのは大変だからじゃないか」
「だから、働くことより楽してお金が欲しいからじゃないか」
といった意見が出てきます。しかしどうして楽をしてお金が欲しいのでしょう。
「好きなものを買うことができるからじゃない?」
「お金があったらやりたいことができるからとか?」
「でも捕まるかもしれないよ。捕まったら好きなものも買えないし、やりたいこともできなくなるよ」
うーん、謎は深まるばかり。そこである生徒が
「お金を稼ぐことが幸せだと思っているんじゃない?」
と言ってくれました。
そこでファシリテーターから「年収と幸福度の関係」に関するデータをインターネットから見つけ、
「あっ、たしかに年収が増えていけばいくほど、幸せになるかというとそうではないね!」
ということに気がつきました。そこで生徒たちも
「ある程度まで買いたいものを買ったり、ややりたいことをやったら、
あとはあんまり(幸せに)関係がないのかもね」
と気づいていました。
経済の中心にあるお金。
お金によって色々なものと交換が可能になり、幸せになることができる、人類の発明品です。
しかし目的と手段が逆転してしまい、お金を稼ぐこと=幸せ、となってしまうことに気をつけない。
そしてお金をどうやって稼ぐか、だけではなくお金を何に使うか、
ということも大切であることも子どもたちは学んだのかもしれません。